「カカシ先生はすごいですねぇ」
あなたはそう言うんだ。
俺の何がすごいのかよくわからない。
子供の頃からコツコツ人を殺し続けたこと?
暗部なんていうキチガイ集団にずっといたこと?
それとも少ないチャクラで写輪眼を騙し騙し使い続けてること?
どれもそんな目を輝かせて誉めることじゃない。
すごいすごいってあなたは素直に人を誉めるけど、あなたの方がよっぽどすごいんだって俺はいまだに素直に言えないでいる。
だって悔しいから。
すべてが難解で一人ですら扱いに困るくらい元気が有り余ってる子供を、あんなにたくさん引き連れて歩けるところとか。
みんながあなたを大好きで、いつだって笑ってるのを願っているところとか。
どんなに疲れて帰ってきても、あなたが「お疲れさま」って笑顔を見るだけで疲れなんて吹っ飛ぶところとか。
あなたが「美味しいですよ?」と言っただけで、大嫌いな天ぷらだってもしかして美味しいものなんじゃないかと思ってしまえるところとか。
イルカ先生は狡い。
あんなにすごいところがたくさんあるのに自分では全然気づいてないところが。
悔しくてもどかしくてたまらない。
でもね、先生。伝えたい事があるんだ。
そういう先生が大好きですよ。