【楽屋裏】


「カーット!」
「今日の撮影はここまででーす。お疲れさまでしたー」
先ほどまで静まりかえっていたのが、その声がかかった途端ザワザワと集団特有のざわめきを発し始める。
ようやく今日の撮影が終わる。
長い一日だった。だが撮影は明日も続く。休んでいる暇はないのだ。
「お疲れさまでした、カカシ先生」
「イルカ先生!」
「大変でしたね、今日の撮影は。ナルトもサクラもお疲れさま」
側に寄ってきた子供達にも声をかけるのを忘れないイルカであった。
「どうだったぁ?イルカ先生」
ナルトがイルカの腰に抱きつき、感想をねだる。
「ネジとの対決はすごかったな」
「えへへ」
誉められて嬉しそうに笑う。
「俺はっ、俺はどうでした?」
ナルトをイルカからひっぺがし、格闘しながら尋ねるカカシ。
「カカシ先生とサスケが二人で登場するところ、かっこよかったですね」
「えーっ、そうかなー。ダサかったってば!」
「うるさいぞ、ナルト!」
カカシがナルトを小突いて黙らせて、イルカに微笑みを向ける。
「惚れ直しました?」
「え」
「かっこよくて惚れ直しました?」
そんなことを言われ、イルカはかーっと頬を染めた。
「えっと……その…」
視線を彷徨わせて困った顔を隠せない様子だ。
「あら、イルカ。来てたの?」
「あっ、大蛇丸様。お疲れさまです!」
まるで救いの神とばかりにその声にすがりつく。
ちっと舌打ちするカカシ。
もう一息でイルカ先生の口から聞けたのに、邪魔しやがって。
「映画の撮影も順調でよかったです」
「ありがと。木の葉の里の忍者がいかにすばらしい仕事をしているかのPRを兼ねた映画だから、力も入るわ。それにしても火影様も相変わらず頭脳が冴えてるわね。本物の中忍試験を利用すれば、臨場感あふれるいい映画が撮れるってわけよ」
「そうですね。大蛇丸様も監督もして悪役出演もしてじゃあ、大変でしょう」
「ふふふ、コレぐらい大丈夫よ。でも、ハヤテが本当に入院しちゃったのは痛かったわねー」
「ええ、ハヤテ上忍は喀血のしすぎで強制入院ですから。さっきお見舞いに行って来ました。思ったより元気そうで」
「それでどうしようかと思ってね。脚本を少し変えようかな、と」
和気あいあいと会話が弾む二人にカカシは割って入ってきた。
「イルカ先生ー。俺ともおしゃべりしましょうよー」
「カカシ先生、後でね」
がびーん。
あしらわれてショックを隠しきれない。


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