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「というわけ。愛されてるわねぇ、カカシ」
ころころと笑う紅。
今の話は本当だろうか。まさかその気にさせておいてやっぱり嘘でした、などと言われたら立ち直る気力は砕け散ってしまうに違いない。
「いやだ、疑い深いのね。一応誕生日プレゼントのつもりなんだけど?」
「は?」
「やきもち焼いてくれるイルカ先生が私からのプレゼント」
たしかに今日はまさしく俺の誕生日だった。言われるまで忘れていたけど。
「どう? 最高の贈り物でしょう。つーか最高すぎて一生分じゃない? もう私からは一生あげなくてもいいでしょ?」
という紅の言葉に、思いきり頷いた。首がもげるくらい頷いた。
「安くついてよかったわ〜」
冗談なのか本気なのかわからないことを言っているが、たぶん照れ隠しなのだろうと思う。たぶん。自信がないけど。
「ありがとね、紅」
礼を言うと、
「どういたしまして」
紅はにっこりと満足げな笑みを見せた。


「え〜っと、イルカ先生?」
玄関の扉をそっと叩く。
「よかったら、ここ、開けてもらえませんか」
中でもぞもぞと動く気配はするが、まだ開けてはもらえない。
「開けてもらえるまで此処で待ってます」
そう宣言すると、扉の前に座り込んだ。
きっといつまででも待っていられる。まだ見えない未来だって想像するだけで幸せでいられるから。
これからイルカ先生と恋人になって。(これは必須)
一年後の今日という日にはきっと、イチャイチャパラダイスなんて目じゃないくらいラブラブハッピーな人生を送ってやる。
という誓いを立てた誕生日。


HAPPY BIRTHDAY !
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2006.09.15


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