今日もようやくアカデミーが終わり、子供達が家路に着く頃。
職員室では金髪の子供が一人の教師にまとわりついていた。
「カカシ先生!ラーメン食いたいってば!」
「うーん。じゃあ一楽でも行くかー」
「やったぁ!」
ラーメン、ラーメンと喜ぶ姿は、いつも手を焼いている悪ガキであっても可愛らしいと思えた。
カカシは、アカデミーで合計3回もこのナルトの担任になって苦労していた。
ホントに元気は元気でいいんだけどねー。
でもなぁ、もう少し注意力と判断力がないと忍びとしてはね。
そんなことを思われているとはつゆ知らず、カカシの腕をぐいぐい引っぱっていくナルト。
「はやく行こうってば!」
「はいはい」
手を繋いで歩いていく二人の姿は、まるで兄弟か親子のようだと同僚達は思っていた。
普段はやる気のカケラも感じられないカカシ先生は、なぜか子供達には人気があった。
ぬぼーとした態度と、顔をほとんど隠した怪しい風体であるが、本当は子供のことを一番に考えてくれているということが感じられるのだろう。
本人も写輪眼を持っていれば上忍だって夢ではないだろうに、子供といるのが結構性に合っていると言って上忍試験を受ける気配はなかった。
これはそんな中忍はたけカカシのお話。
●next● |